「ありがとう。
無事に終わったのは、青山くんのおかげ……」
そこまでいって、私は振り向いた。
視線が、自然とその姿を探して、
立ち上がって教室を出ようとした颯と、ちょうど目が合う。
教室の前と後ろで、
私たちはしばらく無言で見つめあった。
……《青山くんと、それから、颯のおかげ》だ。
何か言いたくて、何か言わなきゃいけない気がするのに、言葉が出ない。
その時、颯がにこりと笑った。
いたずらっぽい、挑むような、でも優しい颯の目。
なんだか、……懐かしい、気がした。
そしてそのまま、彼は教室を出ていく。
「ねえ、颯―」
推薦者の女の子が颯を追いかけていく。

