「これで、資料は全部かな」



「…あ、うん」



長い考え事をしていた。

一瞬ここがどこか思い出せなくなって、焦った。

全体会議が終わって、各部門ごとに分かれて作業が始まると、私と青山くんは教室の隅で資料の読み合わせをしていたのだった。


「かなり仕事が多いし、混乱すると思うけど、とりあえずこれで明日からの動きは全部確認できたと思う。

どうかな、大丈夫そう?」


青山くんは、2年前と変わらない、人の良さそうな優しげな笑みを浮かべて私を見た。


「うん…、多分、大丈夫。

正直、不安はものすごくあるけど」