フルリ、と体が小さく震えて、私は思わず、無言で頷いた。


なんだか妙に恥ずかしくて、颯の目すら見れない私は、颯に手を握られたまま黙って俯いた。


顔が熱くて、仕方ない。


颯は私の答えを聞くと、満足げに頷いて、手を離すと。

指先で私の顎を持ち上げて得意げに言った。


「やきそば、お前の奢りな」


「はっ?」


「あと、たこ焼きも。

いやなんて言わないよね?
こないだのテスト、赤点ギリギリのお前を助けてやったのは誰だったか、もう忘れた?」


すっかりいつもの様子を取り戻した颯に、私は怒ったり呆れたり、と言うより。


「…ばか」


とにかくホッとして、ため息をついた……。