「おい」
「わっ」
階段の踊り場で、ポニーテールにしていた髪を後ろから引っ張られて、危うく転びそうになった。
「痛いよ!
何するの、颯」
声だけでそれが誰かわかっていた私は、怒った声で振り返ると、颯はそれ以上にイライラした表情で私を睨んでいた。
「何考えてんの、お前」
颯のまだ幼さを残す甘い瞳に、鋭さが光っている。
私は思わずぞくりとしてしまう。
変なの、颯を怖いと思うなんて。
昔からいつも、一緒にいるのに。
「どういう意味、急に」
「あいつと付き合うの?」
言いたいことが飲み込めずに困っていると、ようやく青山くんのことに思い至った。
「そんなわけないでしょ。
ただお祭りに誘われただけで」

