意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。


「大変そうですね…。私なんて各クラスの運営だけなのに、こんなに不安ですよ」


そう言うと、先輩は目を丸くした。


「何言ってるの。
茅野さん、中川さんの代わりなんでしょ。

中川さんはミスターコンの責任者だったんだから、当然、茅野さんが後を継がないと」


嘘でしょう。

そんなの初耳だ。


だいたい、クラス行事だけで精一杯なのに、ここにきてもう一つ仕事なんてしたら…


あっけにとられる私に、教壇の上から委員長の声が投げられる。


「そうそう。
そう言うわけで、ミスターコンの担当は、茅野と青山に頼むから」



委員長の視線が教室の前方にいる、男子に向けられる。

彼はくるりと後ろを振り向いて、遠くから私に、ぺこりと会釈した。


「えっ」


私は驚いた。


「久しぶり」


彼は私だけにわかるように、唇だけでそう呟いた。