「ふわぁ·····」

眠い目をこすりながら体を起こしてカーテンを開けるとまぶしいほどの青空が広がっていた。

私は高宮紗奈(たかみやさな)。
今日は待ちに待った高校の入学式!

新しい制服に着替えて準備を済ませ、

「行ってきます!」
「紗奈!気をつけるのよ!」
「はーい!」

新しい制服、中学校までは1つに結んでいたロングの髪も下ろして、少し自分が大人になった気分。

「紗奈~おはよ!」
「香織(かおり)!おはよう!」

この子は中学からの友達の香織。
また同じ高校に通うんだよね!
私の出身中学から私の行く高校に通うのは私と香織ふたりだけ。
香織と同じクラスになれるといいな···。

「なんか紗奈、しばらく見ないうちに大人っぽくなったんじゃないの~?」
「そ、そんなことないよ!」
「彼氏できちゃったりして」
「ないってば!」
もう。香織がいたずらっぽく言うから恥ずかしくなっちゃったじゃん。

そうこうしているうちに、もう学校。
クラス発表の前に人だかりができてる。

高宮紗奈、高宮···
「あ!私2組だよ!」
隣にいる香織を見ると、
「私3組だぁ···」

うそ···離れちゃった···
「大丈夫!クラス違うけどお弁当食べたりしよ!」

そうやって香織は明るく言った。

「う、うん!」

私も頑張って友達作らなきゃ···。