お店のメニューは当然韓国語で書かれている。ハングル文字を読めない雛にハジュンは通訳をし、オススメのメニューなどを教えてくれた。

「ハジュンさんは、辛いものは食べられるんですか?」

「はい!辛いもの大好きです。でも、甘いものも大好きですよ」

「私、辛いものはあまり食べられないんです……」

「大丈夫ですよ、韓国のご飯は全部辛いわけじゃありませんから」

ハジュンに辛くない韓国料理を教えてもらい、雛はタッカンマリを食べることにした。鶏一羽をぶつ切りにし、鶏がらスープで煮込んだ鍋料理だ。ハジュンは韓国式ちゃんぽんを頼む。

「ちゃんぽん?日本にもありますよ。長崎ちゃんぽんは有名です」

雛がそう言うと、ハジュンは「韓国のちゃんぽんは全くの別物ですよ」と笑った。

ハジュンの話によると、日本のちゃんぽんの白い豚骨スープではなく、韓国のちゃんぽんは真っ赤な辛いスープで韓国人でも「辛い!」と言いながら食べるそうだ。