ハジュンは雛の腰に腕を回していて、二人の体は密着している状態だった。雛は黄色い悲鳴を上げそうになるのを懸命に堪え、微笑む。

そして、二人は次の観光地へと向かった。

南山ソウルタワーで景色を楽しんだり、仁寺洞でおしゃれなお店を見たりする。

雑誌の撮影とハジュンは言っていたが、カメラマンなどはおらず、本当のデートのようだと雛は思った。

「そろそろお昼ですね。ご飯、食べに行きませんか?」

ハジュンが時計を見て雛に言う。あちこち見て回ったため、お腹はペコペコだ。

「はい、もうお腹ペコペコです」

雛がそう言うと、ハジュンは「いいお店がありますよ」と雛の手を自然とつなぐ。カメラマンの姿がないため、ハジュンがサングラスを外したら大変なことになるだろうと雛は思った。



雛がハジュンに連れられてやって来たのは、多くの韓国人で賑わうお店だった。庶民のお店を紹介してもらえたことに雛はホッとする。

「チムタクおいしいですよ!あと、チーズタッカルビもおいしいです!」