「行ってきます!」
そう言って玄関のドアを開ける。
「ほら、行くよ。」
そう言ってシュウくんは、左手を出す。
「うん!」
私は頷き、その左手を右手で握る。
これも私たちの日常。
「あ、修斗!香菜子ちゃん!おはよ!」
「おはよ。あ、なんだ結城か。…お前は毎朝元気だな。」
「なんだ、ってなんだよ!
てか、そーゆーお前こそ、朝からリア充してんじゃん!」
「…まあな。否定は出来んわ。」
「今朝は何してたんでしょーねー??ニヤニヤ」
「そんな大したことじゃねーから。」
「ふーん。…で?本当はなにしてたの?」
「はぁー…。なんもしてないって。」
今、シュウくんと仲良さげに話しているのは、お向かいに住んでいる大学生の鈴木 結城(スズキ ユウキ)くん。
シュウくんとは、同じサッカークラブだったこともあり、なんだかんだで今もずっと仲良くしているらしい。