「カナ。持ってきたよ。」


「シュウくん!ありがとっ。」


そう言って、俺の入れたレモンティーの入ったマグカップを両手で持ち、一生懸命息を吹きかける。


……猫舌。……可愛いなぁ…。


なんて思いながら、カナのことを見ていると、

「えっ?シュウくん。私、何かついてる?」


「ううん。何もついてないよ。」


「じゃ、じゃあなんでずっと見てたの?」


「ん?………カナが可愛いから。」


「…そ、そっか…。」


「あれ?ついに認めたの?」


「だ、だって否定してもシュウくんに論破されるもん……。」


「まぁ、そうだね。…カナが可愛いのは事実だからね。」


「…………あんまり言ったら照れるからダメっ。」


そう言って、頬を赤らめるカナ。


「ほんっと、可愛いなぁ……。」


そう呟いてカナを自分の胸元に引きつける。





ギュッ





「シュウくんからしてくれるのって、なんか珍しいね!エヘヘ」


そういって、万遍の笑みを向けてくる。



「今日は、いつもに増して甘やかす日だからね。」


「やったぁ!」



この子はきっと、どうして俺が今日、こんなにも甘やかしているのか分かっていないんだろうな…
…なんて思いながら、胸元で俺の匂いを嗅いでいるカナを抱きしめる。





「シュウくん……?」



「ねぇ、カナ。」


「……うん?」