「おんぶ……?どうやって?」


「どうやって?って?…シュウくんだっておんぶはわかるでしょ?背中に乗るやつだよ?」


「……その、樹くんって人の背中に乗って、後ろから抱きしめてたの?」


「抱きしめてたわけじゃないけど……坂道で落ちたら大変だから、まぁ……それなりに?」


あれ……?
なんだか、前にもあったよなぁ……この感じ。


「シュウくん……?」


「カナ。帰るよ。……おんぶしてく。」


「えっ?もうだいぶ痛くないから歩けるよ…?」


「やだ。俺がしたいからしてく。」


「でも、シュウくんに申し訳ないから……」


「樹くんはいいのに俺はダメなの…?

毎朝、カナのこと抱っこしてるよ……?」


「で、でも人前だと恥ずかしいから……。」


「樹くんとはしたんでしょ?班メンバーの前で。」


「そ、それは……したけど…。」


「ほら、いいから乗って。早く帰るよ。

家ではちゃーんと安静にしてもらうからね。」


そう言って、私に有無を言わせずにシュウくんはしゃがみ始めた。