「斎藤。親御さん呼ぶか?」



帰り道のバス。担任の先生が心配して声をかけてくれた。



「いいえ、大丈夫です。」


「そ、そうか。なら、気をつけて帰れよ。」


「はい。ありがとうございます。」





「香菜子ちゃん。…本当にいいの?」


心配して樹くんが声をかけてくれる。


「うん。…お母さんたち仕事だし……。

それに、シュウくんと帰る約束してるから。」



「あぁ……幼なじみの先輩、だっけ?」


「うん。だから、大丈夫。」


「…そっか。無理しないようにね。」


「うん。樹くんも心配してくれてありがとうね。

家に帰ったら湿布張り替えて安静にするね。」



「おう。」