「おーい、颯太いるかー?」


登り始めて数分。先頭を歩く加藤くんが声をかける。


「いるよ。まだ余裕。」


息切れひとつなく本当に余裕そうに応える田辺くん。


「香菜子ー?ちゃんと着いてきてる?」


私にも、茉莉ちゃんが声をかけてくれる。


「い、一応…。」


私は、何とか返事を返す。



「よし、休憩しよっか!みんなお茶飲みたいでしょ?」


そんな一言をかけてくれた島田くんのおかげで、近くにあった木陰で一度休憩をとる。