「到着!!」


「長時間のバスは疲れますね。」


「寝てたら一瞬だったぞー!」


長い時間バスに揺られて、やっとこの行事の大目玉、班別登山のスタート地点に到着。


「斎藤さん。バス酔いとか大丈夫?」


なんて気を利かせて聞いてくれる班長の島田くん。


「うん。大丈夫!気遣いありがとね!」


「いえいえ。今からの登山だけど、辛くなったら無理せず言ってね?」


「うん!足引っ張りすぎないように頑張ります。」


「…斎藤さん。僕も頑張るので、頑張りましょうね。」


そう言って話しかけてきたのは、田辺くん。


私と田辺くん以外の3人は、スポーツ万能で、部活で長距離を走る島田くんはもちろん、バスケットボールをしている加藤くんも体力にはかなりの自信があって、
実は、茉莉ちゃんは中学まで強豪校でソフトボールをしてたこともあって、山登りなんてへっちゃららしい。


そうなると、登下校しか歩いていない私と、毎日研究ばかりの田辺くんが足を引っ張らないように…という形になってしまうのだ。


「頑張ろうね!」


と田辺くんと誓あい、登山が始まった。