カナから校外学習の話が出たあの日。

男も同じ班だと知ったあの日。

ムキになって、自分は女と仲良くなったなんて嘘をついたあの日。

あの日から、俺はこの日が来なければいいと思っていた。







ギュッ


「…学校まで……一緒に行く。」


そう言って俺の制服の裾を握りしめるカナ。


「ん。…じゃあ、行こっか。」



いつものようにカナの左手を握る。



いつもと違うことは、会話が少ないこと。



「シュウくんと一緒に行きたかったな…。」


今日のカナの独り言はずっとこれ。