「カナもいい匂いするよね。」
不意にシュウくんに言われる。
「えっ?」
「ん?…いつもカナに言われるから、今日は俺が言ってみた。
…シャンプーなのかな?カナの匂いがする。」
そう言ってシュウくんは私の髪に顔を当ててくる。
「しゅ、シュウくん。くすぐったいし、雨だから髪の毛切ぐちゃぐちゃになっちゃうよ…。」
「ごめん、ごめん。女の子は大変だね。
髪の毛のお手入れとか。」
「まぁね。…短くしてもいいんだけどね…。」
「短くしないの?」
「うん。私は短いの似合わないからね。」
「なんでも似合うと思うけどなぁ…。まぁ、俺がとやかく言うような事じゃないね。
さーてと、学校行きますか。」
「うんっ。行こっ!」