毎朝教室まで送りに行くのも、俺の溺愛をカナのクラスの男子に見せつけるため。
そうでもしなければ、こんなにも可愛くて、小さくて、愛おしい存在のカナを放っておく男はいないだろう。
…俺はこんなにカナのことが好きなのに、カナにはただの兄みたいな存在でしかないんだろうな。と思うと、胸が痛む。
いつか、俺のもとを離れて他の男に笑いかけて、甘えて、俺の知らない一面も見せていくのかと思うと、どうにかしてカナに男として見てもらいたいと思ってしまう。
「…幼なじみじゃなくてさ。
お兄ちゃんじゃなくてさ……。
……一人の男として見てくれよ。」
そんなことを呟きながら、可愛すぎる寝顔をした幼なじみの唇に自分の唇を重ねる。