「ん…。やだ。起きたくない。」
「やだとか言わないの。…ほら、起きて?」
「…まだ寝る。シュウくんも一緒に寝よ?」
「俺は寝ません。ほら、カナも起きて。起きなきゃ置いてく。」
「うぅ……。イジワル。」
「ほら。起きて。」
「…シュウくんの抱っこがいい。」
「はぁ…。ほんとワガママな奴。
…はい、抱っこしてあげるから手広げて。」
「ん。」
ギュッ
抱きしめられた瞬間にほのかに香る、私の大好きな匂い。
ずっと抱きしめられていたいくらい…
「…シュウくん。いい匂いする。」
「ホント毎朝言うよね。…もぉ、分かったから。
…立てる?パジャマで学校行くの?」
「…パジャマじゃ行かない。でも、まだギュッてしてたいもん…。」
「はぁぁ…。じゃあ、着替えてからね。」