「あーね。…ねぇ香菜子。ずっと思ってた事聞いてもいい?」



「うん?なぁに??」



「…酒井先輩に、恋愛感情はないの?」



「れんあいかんじょう?」



「そー。幼なじみとしての好きとか、家族としての好きとかじゃなくてさ、1人の男の人としての好きって感情は?」



「…うーん。どうなんだろうね。
私、茉莉ちゃんみたいに彼氏とか1度もいたことないから、男の人としての好きって気持ちがよく分からなくて…」



「そっかー。まぁ、あんまり深く考えすぎずにね!
どんな形にせよ、香菜子が今、酒井先輩のことが好きならいいや。」



「うん!シュウくんのこと大好きだよ!」



「そっかそっか!それなら良し!」



シュウくんの話もたくさん聞いてくれる茉莉ちゃんが同じクラスで、1番に仲良くなった子でほんと良かったなぁ。なんて思いながら、シュウくんと一緒に準備した用具たちを机に入れる。








「こんなに可愛いのに、鈍感すぎるし。酒井先輩もさぞ心配なんだろうな…。」





なんて事を、後ろで茉莉ちゃんが呟いていた事なんて、私は知る由もない。