「カナ。」
結城くんの事を目で追っていたら、突然シュウくんに呼ばれた。
「ん?なぁに?」
「どっか向いてないで、まっすぐ見て歩いて?
手繋いでても危ないから。」
シュウくんは心配性だ。
これに限っては、私のせいだって分かるけど…
「シュウくん、心配しすぎだよ。」
「…俺が心配する相手はカナしかいないから。」
「……うん?どういう事?」
「だから、俺の人生の中の心配っていう感情全部カナに向かってるから、こんなにも心配性だって思うだけ。」
「やっぱシュウくんは優しいね。
でも、自分のことも少しは心配してね?」
「…そういうカナも優しいね。ありがと。」
「うん!」
そう答えながら、手を握り直す。
シュウくんがいない朝なんて考えられないな。なんて考えながら。