「……な。………カナ。」





高校も少しずつ慣れてきた頃の朝。



「…や。…まだ起きたくないぃ……。」



「カナ。…ね、起きて?」



…まだ寝ていたいという欲に負けそうになりながらも、布団から顔をのぞかせると…



「…シュウくん。」



「ほら、起きて。学校行くよ?」





そこにいたのは、私の幼なじみ。シュウくんこと、酒井 柊斗(サカイ シュウト)。

お隣に住んでいて、歳も1個差だから、本当のお兄ちゃんのような存在。

朝が大の苦手な私を毎朝起こしに来てくれるのです。