苦笑いするしかない私に目線だけでさっさと入れと訴えた社長は先に中へと入るなり、ソファーに静かに座った。

私は反対側のソファーの後ろに立ったまま、社長の言葉を待った。

「何してる、さっさと座れ」
「は、はい。失礼します」

恐る恐る座って、社長に目線を向けると、社長は何だか不機嫌そうな顔。

やっぱり何かやらかしたんだろう。

たった一週間。私なりに頑張った。

クビを言い渡されても、めげるな私。

会社はまだ他にある。

私は覚悟を決めた。







「これは社長命令だ。今すぐこの婚姻届にサインしろ」

そう言うなり、机に、婚姻届の紙を静かに置かれた。

私はただただ驚いて、開いた口が塞がらなかった。