私の通う高校は、進学校というわけでもなく、頭が悪いというわけでもない。
真面目な生徒もいるし、ちょっとグレた生徒もいる。
そんなどこにでもある平凡な高校である。

そんな平凡な高校の中の村人A、というのはなかなかいいものだ。


今年度、私は高校2年生。高校の中で1番微妙な時期。
中学2年生と同じで、ハメを外しすぎるような生徒が出てきそうだなと思っている今日この頃。

ちょうど桜が咲いているこの通学路もだいぶ見慣れた。

今日は月曜日だから朝が少しキツかったけど、いつもみたいにスマホにイヤホンを繋げば、彼らの大好きな歌声が耳に響く。
...ああ、やっぱり大好きだ。

歌も、歌声も、本人達も。
いつもいつも感じているこの感じが、本当に心地よい。


月曜日だということも忘れて、私は通学路の上り坂を駆け登った。少し息が荒くなるのも、この綺麗な桜を見ればなんてことなかった。

1曲がちょうど終わった時、少しざわついている学校に到着した。

今日はいつもより早く着いたから友達と雑談ができそうだ。


おしゃべりで噂好きなあの子が今日はどんな話を持ち出してくるのか密かに楽しみにしながら、私は自分のクラスへと足を進めた。