いつものようにベンチに座ろうと近づくと、美しい金色の髪の少女が横たわっているのを見つけた。

見た途端、『キレイ』という言葉が脳裏に浮かぶ。その少女は儚く、手を伸ばせばかぐや姫のようにたちまち月へ帰ってしまうのではないかと感じられた。

しばらく見つめていたが、ここが公園であることを思い出し、少女を揺り動かす。

「おい。こんなとこで寝てたら襲われるぞ。」

声をかけるが反応がない。まさか死んでないよな…と考えつつ、もう一度声をかける。

「おーい。起きろー。」

今度は、ん、と身じろぎする少女。そのとき、服の隙間から痣を見つけた。