それは、大会も終盤に近づいた午後。 「…え、栞菜?」 ふらふらと保健室にはいってきたのは、まさかの廉くん。 わたしは驚いてしまった。だって、 「ど、どうしたんですか?」 廉くんのふくらはぎは、青く腫れあがっていた。 わたしは慌てて、廉くんを椅子に座らせる。 「試合で、ちょっとね」 「そんな……」 痛そうで、みているこっちが辛くて、泣きそうになってしまう。 廉くんはかなり痛そうな顔をしていたものの、わたしのようすに気づくと笑ってみせた。