5時からはじまる甘い罠。





「……美味しいっ」



1時間後、わたしは歓声をあげていた。


廉くんに連れてこられたこの店は、繁華街から少し離れたところにあった。


平日なのに、大勢の人で賑わっている。人気店みたいだ。


口にしているのは、大好きなハンバーグ。思わず笑顔になる程、美味しい。



「そう?よかった」



廉くんはサラダを口にしながら微笑んだ。



「廉くんは美味しいお店とか、いい場所とか、いっぱい知ってるね」



いつもいろんな所に連れていってくれて、さすがだな、って感動していた。



「栞菜、ハンバーグ好きって言ってたし。

そういえば、ここのは美味しかったな、って思い出した」



さらりと言われて、わたしは思わずときめく。


そんなこと考えてくれてたなんて、知らなかった。