5時からはじまる甘い罠。







まだ特訓を始めたばかりの頃、2人で立ち寄ったカフェ。


緊張しながら話があると持ちかけると「なに?」いつものように優しい表情を向けた廉くん。



《特訓のこと、皆には内緒にしてほしい》



そう伝えると、廉くんは少し驚いて



《なんでよ》



口を尖らせた。


不機嫌になってしまったことに焦ったわたしは、慌てて、


わたしにあまり構っていることがバレたら廉くんの評判が下がる、とつけくわえた。



《は?なに言ってんの、バカでしょ》



……なんだかより怒りに火をつけた気がする。


そんなのどうでもいいし、気にしない。

廉くんはバッサリとそう言ったけど、わたしはおどおどしながらも絶対に引き下がらなかった。