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まだ特訓を始めたばかりの頃、2人で立ち寄ったカフェ。
緊張しながら話があると持ちかけると「なに?」いつものように優しい表情を向けた廉くん。
《特訓のこと、皆には内緒にしてほしい》
そう伝えると、廉くんは少し驚いて
《なんでよ》
口を尖らせた。
不機嫌になってしまったことに焦ったわたしは、慌てて、
わたしにあまり構っていることがバレたら廉くんの評判が下がる、とつけくわえた。
《は?なに言ってんの、バカでしょ》
……なんだかより怒りに火をつけた気がする。
そんなのどうでもいいし、気にしない。
廉くんはバッサリとそう言ったけど、わたしはおどおどしながらも絶対に引き下がらなかった。

