「へんですか…?
わたしなんか、普通の頭しても、やっぱり…」



もはやちょっと泣きそうに尋ねるわたしに、廉くんはハッとして、いつも通り綺麗に微笑んだ。



「……もうわらしじゃなくて、女子高生だね」



「素直に褒めろよ…」



ヨウさんがポツリと呟いたけど、わたしにはよく聞こえない。


廉くんはひらひらと手を振ると、そのまま、テラスに戻ってしまう。



「ガキか、あいつ」



ヨウさんはまた、ポツリと何かを呟いた。


よく聞こえなくて、わたしが不安げにヨウさんを見つめると、気づいた彼は苦笑して答えた。



「廉は、似合うって言いたかったみたいだよ」



わたしは疑い深い目でヨウさんを見る。


……そんなこと、信じられる?