「おまえ、今日の放課後あいてるよね?
ふたりで出かけよ」



屈託のない更科くん……もとい廉くん(昨日何度も練習させられた)は、

まわりの視線なんて全く気にならないようで、誤解を招きそうなことを平気で口にした。


まわりのざわめきはとうぜん、倍に膨らんだのを肌で感じて、わたしはうなだれた。







おい、わらし、どういうことだよ、調子にのるなわらしのくせに、と柄の悪い口調で女子に1日で何度も絡まれ、

そのたびに、なんでもないんですただの知り合いですごめんなさい…とひたすらビクビクして謝り続けたわたしは、

放課後、廉くんとの待ち合わせ場所の駅に着く頃には疲労困憊していた。

(会話の練習にはなったかもしれない…)