わたしは思わず怪訝な声を出して、更科くんを見る。
「なんか、あんたみたいな地味めなタイプ、新鮮だし。
うん、興味あるよね」
……は?
更科くんは相変わらず綺麗な顔で、なんだかとんでもないことを言っている。
「調教?
いや、違う違う、プロデュース。
やりがいあるなー。
素材はいいし。
なにしろ手入れ0。伸び代は無限。
……ね? 橘栞菜。
俺があんたを変えてあげる」
微笑まれても、わたしは思わず警戒心から後ずさりしてしまう。
優しくて親切な人、だったはずの更科くんからポンポンと飛び出る、調教やら妙な単語。
なんだかとんでもないことになってない…?

