5時からはじまる甘い罠。



わたしは思わず怪訝な声を出して、更科くんを見る。



「なんか、あんたみたいな地味めなタイプ、新鮮だし。

うん、興味あるよね」



……は?


更科くんは相変わらず綺麗な顔で、なんだかとんでもないことを言っている。



「調教?

いや、違う違う、プロデュース。

やりがいあるなー。

素材はいいし。

なにしろ手入れ0。伸び代は無限。



……ね? 橘栞菜。


俺があんたを変えてあげる」



微笑まれても、わたしは思わず警戒心から後ずさりしてしまう。


優しくて親切な人、だったはずの更科くんからポンポンと飛び出る、調教やら妙な単語。



なんだかとんでもないことになってない…?