更科くんは驚いたようにわたしを見て、それから、 「うん」 とうなずいた。 その微笑みはすごく優しくて。 相手がこの人だから、わたしは今、向き合えているんだとわかった。 「わらしなんかじゃないよ、橘さん」 まっすぐな瞳で、彼は言葉を紡ぐ。 「きっと変われる。 だって、ほら、……今だって俺と喋ってる。 明日は、また何かが変わるかも」 ・ わたしはまた、泣きそうになって、顔に力を入れた。 「更科……くん。 わたし、変わりたい」