5時からはじまる甘い罠。




更科くんは驚いたようにわたしを見て、それから、



「うん」


とうなずいた。


その微笑みはすごく優しくて。


相手がこの人だから、わたしは今、向き合えているんだとわかった。



「わらしなんかじゃないよ、橘さん」



まっすぐな瞳で、彼は言葉を紡ぐ。



「きっと変われる。
だって、ほら、……今だって俺と喋ってる。

明日は、また何かが変わるかも」








わたしはまた、泣きそうになって、顔に力を入れた。



「更科……くん。

わたし、変わりたい」