「ほら、リラックスリラックス」
お友達は苦笑して、わたしの背中を手のひらでさする。抱きしめられているような近さだ。
一体何をしているんだろう、自分は、と自己嫌悪に陥っていると、
突然腕を力強く引っ張られて、
「うわっ」
体が宙に浮いた。
唐突にお友達との間に廉くんのからだが割り入ってくる。
「……おお、れん、おかえり〜」
「……」
廉くんはわたしの腕をしっかり掴んだまま、まったくの無表情で、お友達を睨みつけた。
「何してんの……」
「ん? いや、別に何も」
にこ、と笑うお友達。
廉くんの不機嫌モードをものともしない態度に、わたしは自分がしでかしたことながら冷や汗をかく。

