5時からはじまる甘い罠。




「ほら、リラックスリラックス」



お友達は苦笑して、わたしの背中を手のひらでさする。抱きしめられているような近さだ。


一体何をしているんだろう、自分は、と自己嫌悪に陥っていると、


突然腕を力強く引っ張られて、



「うわっ」



体が宙に浮いた。


唐突にお友達との間に廉くんのからだが割り入ってくる。



「……おお、れん、おかえり〜」



「……」




廉くんはわたしの腕をしっかり掴んだまま、まったくの無表情で、お友達を睨みつけた。



「何してんの……」



「ん? いや、別に何も」



にこ、と笑うお友達。


廉くんの不機嫌モードをものともしない態度に、わたしは自分がしでかしたことながら冷や汗をかく。