「ほんと、ごめん。
腫れちゃったね」
クラスの女子に、更科、と呼ばれていた。
更科くんは、わたしのほほを見て申し訳なさそうに俯いた。
とたんに、こんなに綺麗な顔の人の前で、こんな惨めに顔を腫らせて立っている自分が、ひどくはずかしいものに思えた。
……多分この人は優しい人だ。
話したこともない違うクラスのわたしを、心配して待ってくれていたのは本当だろうし。
謝ってくれるのも誠意からだとかんじる。
いたわるような視線からは蔑みもからかいもなにも感じ取れない。
だけど……放っておいて欲しかった。
こういう人の前に立つには、…わたしは、つらすぎる。
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