「待って」 風をビュンビュン切って、走っている。 まわりの下校中の生徒たちが、わたしの勢いに驚いて立ち止まるほど。 「お願い、……待って!」 校門を出て歩きはじめていた廉くんは、 全力で走って、肩で息をしているわたしをふりむいて、すごく驚いていた。