5時からはじまる甘い罠。




里奈ちゃんは、わたしの表情を見て、はっとして黙り込んだ。




「ねえ……。

あんたに謝らなきゃね。

前に、感情がないなんて言ったけど…

あんた、ほんとうはわかりやすいやつじゃん」



苦笑される。


そして、わたしの頭を撫でた。



「気持ちは言わなきゃ伝わらないんだよ?

あたしたちも、あんたが変わったから。

いい奴だってわかったから、助けにきたんじゃん」



里奈ちゃんの言葉は、力強さを持って、胸に刺さる。


いつか、里奈ちゃんと廉くんは似てると思ったことを思い出した。



「未来は、変わるんだよ。

あんたが変えたから、わたしは今あんたの前にいる。

この先も、

あんたが自分で変えるんだよ!」



いつの間にかぽたぽたと涙がこぼれていた。