「さよなら」 ・ ちがう。 全部わたしのセリフなのに。 だけど… もうこれ以上、廉くんに嘘つきたくないよ。 「ちょっと……なんでこうなるわけ? あんた! このままでいいの? 廉くん行っちゃったじゃん」 何をどこまで知っているのかわからないけど、里奈ちゃんはわたしの肩を揺さぶった。 このままでいいのか、なんて。 いいに決まってる。 わたしたちは住む世界が違うんだから。 廉くんにとっても、わたしにとっても、これで……。