5時からはじまる甘い罠。





廉くんの言葉を否定しないわたしにも、彼は優しい目を向けてくれる。



「解放してあげるよ。

栞菜は、もう卒業。

……俺がいなくても、今なら平気でしょ」



後ろの里奈ちゃんたちに目をやって、廉くんは笑った。


廉くんらしくない、見たことのない、悲しい笑顔で。



「いままで、無理させてごめん。

だからもう、なにも心配しなくていいから」