廉くんの言葉を否定しないわたしにも、彼は優しい目を向けてくれる。 「解放してあげるよ。 栞菜は、もう卒業。 ……俺がいなくても、今なら平気でしょ」 後ろの里奈ちゃんたちに目をやって、廉くんは笑った。 廉くんらしくない、見たことのない、悲しい笑顔で。 「いままで、無理させてごめん。 だからもう、なにも心配しなくていいから」 ・