それは、里奈ちゃんと、その友達で。 彼女たちがわたしなんか助けに来るはずないのに。 どうして…… 「里奈、廉くん呼んできたよ」 突然飛び込んできた別の女の子の声。 「ありがと!助かった」 驚いていると、 「あんたの王子様本人に話つけさせた方が、手っ取り早くね?」 里奈ちゃんが笑った。 「……栞菜」 なんと、女子トイレに踏み込んできた廉くんは、 いつもの余裕はなく、肩で息をしている。 顔は険しい。