5時からはじまる甘い罠。





「それじゃ……」



ぺこりと頭を下げて男子の間を通り抜けようとすると、



「お、ストップ」



「わっ」



突然腕を掴まれて、立ち止まる。


ちょっとだけ鳥肌がたった。



「わらしちゃん。今日の放課後ひま?

俺らと遊ぼうよ、いろいろ教えてあげるし」



「おまえ、その言い方、やばいって」



「やばいのはおまえの頭だよ」



わけわからない会話が頭の上を飛び交う。


腕を掴んでる男子が、にやりとして隣に立っている男子のことを指差した。



「こいつが毎日、わらしちゃんが可愛くなったってうるさいんだよね。

遊んでやってくれない?」



…へ…?


指摘された男子はすこし顔を赤くして、「バカ」と言った。