「それじゃ……」
ぺこりと頭を下げて男子の間を通り抜けようとすると、
「お、ストップ」
「わっ」
突然腕を掴まれて、立ち止まる。
ちょっとだけ鳥肌がたった。
「わらしちゃん。今日の放課後ひま?
俺らと遊ぼうよ、いろいろ教えてあげるし」
「おまえ、その言い方、やばいって」
「やばいのはおまえの頭だよ」
わけわからない会話が頭の上を飛び交う。
腕を掴んでる男子が、にやりとして隣に立っている男子のことを指差した。
「こいつが毎日、わらしちゃんが可愛くなったってうるさいんだよね。
遊んでやってくれない?」
…へ…?
指摘された男子はすこし顔を赤くして、「バカ」と言った。

