「おー、本当に変わったな」
「噂通りじゃん」
「化けたね、わらしちゃん」
「もともと素材はいいんだよな」
あっという間に男子に四方を取り囲まれて、わたしはおもわずひっ、と声を上げた。
…失敗した。
無視すればよかったのに…
「おお、ビクビクしてる」
「怖がってんじゃん、おまえのせいだろ」
「おまえだよ」
楽しそうに笑う声。
……こういう人種が、わたしは一番苦手なのだ。
でも逃げたくても逃げ場がない。
完全に追い詰められたネズミになっているわたしに、1人が尋ねた。
「ねえ、わらしちゃん、更科と付き合ってるってマジ?」
わたしは驚いて目を丸くした。
どうしよう、ほんとに、噂が想像以上にひろまっている…。

