少しだけ切なくなる。 廉くんはわたしにとっては、大切な人だけど。 こんなに毎日一緒にいるけど。 だけど、この人たちよりも、わたしは廉くんのことをしらないんだなあ……。 急に廉くんを、遠く感じて。 …いや、近づいてた、なんて錯覚だったと気づく。 「大丈夫です……」 心臓のあたりを握って、顔を上げる。 「廉くんのこと、なんとも思ってません」