温かいこの場所で、君と

ミゲルの弟、ジョシュアは読書をしていて、二人目の弟、ヴィンスはテレビをつけている。

「朝ごはんできたわよ〜」

ジョアンナの声で、みんなが椅子に座る。いつもの素敵な朝。夏羽にとってすっかり当たり前になった朝だ。

「今日、友達と出かけてくるよ」とジョシュア。

「気をつけるんだよ」とロザリンダ。

「今日は午後から雨が降るみたいね」とジョアンナ。

「早めに買い物は済ませた方がいいな」とルディー。

「お兄ちゃん、家に帰ってきたら勉強教えて」とヴィンス。

「いいよ!なんでも聞いて!」とミゲル。

日本にいた頃は、夏羽は一人でご飯を食べることが多かった。みんなが家族と食べると聞き、変だなと思ったほど。一人がずっと当たり前だった。

夏羽は、和やかな食事の時間を楽しんだ。



朝ごはんを食べた後、ミゲルは散歩の時に言ったように、デートに夏羽を連れて行った。

行き先は、マニラ・オーシャン・パーク。二万種にも及ぶ珍種や鮮やかな色彩の魚たちを鑑賞することができるアジア最大級の水族館だ。