温かいこの場所で、君と

「あたしも一緒に散歩していい?」

メロディはそう言って夏羽の手を握った。メロディは夏羽のことを、本当の姉のように慕っていて、よく一緒にショッピングに行ったりもする。

「いいよ!」

夏羽は微笑み、メロディとミゲルと海岸の散歩を楽しんだ。



散歩から帰ると、ミゲルのお母さんのジョアンナが朝ごはんを作っていた。

フィリピンで最もポピュラーなロームパン、パン・デ・サルに、ソイソースにつけて焼いたビーフに目玉焼きとガーリックライスのタプシログ。デザートには、タホという温かい絹豆腐に、タピオカとブラウンシュガーとシロップのかかったフィリピン代表のデザートが並べられている。

「おかえりなさい!」

ジョアンナはそう言って微笑む。夏羽も「ただいま帰りました」と笑顔で言ってジョアンナの手伝いをする。もうサントス家のみんなは起きていた。

ミゲルのお父さん、ルディーはコーヒーを飲んでいる。ミゲルのおじいちゃん、フェルナンドはおばあちゃんのロザリンダと話している。