我妻教育3

「僕は、同じものを。
未礼ちゃんも、もう少し付き合ってよ」
電話を終えて戻ってきた亀集院さんがニコリと微笑む。

「あ、はい。じゃあ、あまり強くないものを…」

オーダー通り、アルコール度数の低そうなオレンジをたくさん使ったフローズンカクテルが出てきた。
シャリシャリ冷たくて、さっぱり甘くてデザートみたい。

クールダウンして、少し、気が和らぐようだった。


「未礼ちゃん、酔い覚ましに少し歩かない?」

バーを出ると、亀集院さんが歩道を指差した。

「この先に“プロムナード”があるから、そこを歩いて行くと、大通りに出る。そこにハイヤーを呼ぶよ」

「はい」と頷きついて行く。

このバーのすぐ近くには、【立九里(タツクリ)パーク】という公園が広がっている。

この辺り(ベイエリア)は、ショッピングやグルメなどの施設が揃う観光スポットだ。

港に面する【立九里パーク】は、大きな観覧車があり、海に沿った遊歩道から、海を眺めながら広がる夜景を楽しむことができる。

そばには煉瓦倉庫(リノベーションされて、飲食店などが入っている)もあり、フォトジェニックな場所だ。

パークから、煉瓦倉庫に沿って、【和野庫(カズノコ)通り】(大通り)へと続く散策路が、【舘萬木(ダテマキ)プロムナード】という。