我妻教育3

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今日の夜は、亀集院翔太さんと食事の約束をしている。

服装、大丈夫かな。
亀集院さんからは、事前に中華料理って連絡もらってたけど。
取り合えず、無難にドレスコードはパスできそうなキレイめのネイビーのワンピにしておいた。

待ち合わせの駅で待っていると、スーッと運転手付きの黒塗りの高級車が乗り付けた。
亀集院さんだ。

「お酒飲むからハイヤー用意したんだ」
スマートだ。

運転手付きなのに、わざわざ自分が降りてきて、さわやかな笑顔でまずはあたしの服装を褒めた。
「可愛いね。そのワンピースよく似合ってる」

「あ、ありがとうございます」
照れる。

「じゃあ行こうか」と車に誘導してくれる。

黒塗りのハイヤーが向かった先は、超高層ビルの45階にある会員制のレストラン。

レストランの入り口に看板も出てない。
こういう所って、政治家や芸能人もお忍びで使う知る人ぞ知るっていうところじゃないの?

どんな美味しいものが食べられるのか、純粋な好奇心でワクワクする。

扉を開くと、控えめの照明に、ラグジュアリーな空間が広がる。
まるで、高級なフランス料理店のよう。
中華料理っていう雰囲気じゃない。

どっちにしろ、キレイめなカッコしてきて良かった(笑)

席に案内されると、「すごい…」さすが超高層階。壮大な眺望。