「来てくれて、すごく、うれしいよ。ありがとう」
うれしい。
あたしのワガママに、まっすぐに付き合ってくれて。
「ならば、来た甲斐があったな」
啓志郎くんは目を細めた。
「せっかく来てくれたんだから、山指さんに紹介するね。
勇たちにも会って行って。喜ぶと思う」
「ああ、頼む」
酒蔵に向かう道のりを並んで歩く。
「本当だ、城下町の趣があるな」
啓志郎くんは周囲を見回したあと、あたしに顔を向けた。
「啓志郎くん、城下町にお殿様が偵察にでも降りてきた、みたいな感じだね。
お殿様!この町娘(あたし)がご案内させていただきます」
「未礼は面白いことを言う」
フッと笑って、前を向く。
こんな風に並んで歩いてると、旅行デートみたいだな。
あ、違う。お殿様を案内する町娘だった(笑)
天気はあいにく。
時折、突風が吹き荒れる。
「!!」
風で道端に落ちていた何か大きいものが舞い上がり、こっちに向かって飛んできた。
「こっちだ」
躊躇なくあたしを引き寄せ、前に立った。
「キャッ!」
ガードするために突き出した腕に、その何かがバシッとぶつかり、どこかへ飛んでいった。
「啓志郎くん大丈夫?」
「問題ない。段ボールの破片のようなものだ。
未礼は当たらなかったか?」
「あたしは全然。ありがと…」
啓志郎くんが、かばってくれたから。
いつの間にか逞しくなっちゃって。
うれしい。
あたしのワガママに、まっすぐに付き合ってくれて。
「ならば、来た甲斐があったな」
啓志郎くんは目を細めた。
「せっかく来てくれたんだから、山指さんに紹介するね。
勇たちにも会って行って。喜ぶと思う」
「ああ、頼む」
酒蔵に向かう道のりを並んで歩く。
「本当だ、城下町の趣があるな」
啓志郎くんは周囲を見回したあと、あたしに顔を向けた。
「啓志郎くん、城下町にお殿様が偵察にでも降りてきた、みたいな感じだね。
お殿様!この町娘(あたし)がご案内させていただきます」
「未礼は面白いことを言う」
フッと笑って、前を向く。
こんな風に並んで歩いてると、旅行デートみたいだな。
あ、違う。お殿様を案内する町娘だった(笑)
天気はあいにく。
時折、突風が吹き荒れる。
「!!」
風で道端に落ちていた何か大きいものが舞い上がり、こっちに向かって飛んできた。
「こっちだ」
躊躇なくあたしを引き寄せ、前に立った。
「キャッ!」
ガードするために突き出した腕に、その何かがバシッとぶつかり、どこかへ飛んでいった。
「啓志郎くん大丈夫?」
「問題ない。段ボールの破片のようなものだ。
未礼は当たらなかったか?」
「あたしは全然。ありがと…」
啓志郎くんが、かばってくれたから。
いつの間にか逞しくなっちゃって。

