『どうした?何かあったのか?』
黙ったあたしを心配している。
「あ、ううん、何も…」
感傷的になってるのは、風情ある町並みのせいかな。
『なら、良いのだが…。
もしも、私に出来ることがあれば言ってくれ。
何かあったら、すぐに連絡してくれ』
何かあったらって、…言えるわけないじゃん。
非正規雇用で、正規になれないとか。
そんな小さなスケールの話、啓志郎くんに理解できるはずない。
それに、啓志郎くんがマイラ姫を連れてきさえしなければ…なんて口が裂けても言いたくない。
誰も悪くないんだから。
嫌な気分になる。
「…電話したって、遠くにいるのに、どうもできないでしょ」
『会いに行く』
「啓志郎くんは、いつまで日本にいるんだっけ」
『明後日の水曜の午後の便で発つ予定だ』
「ふーん、じゃあ、アメリカから、あたしの為に飛んできてくれるの?」
『未礼が望むなら』
「嘘ばっかり」
『嘘ではない』
「無理でしょ?
だって、今日本にいるのだって、丁度学校が休みだからでしょ?
わざわざあたしの為だけに、あたしの所に来れないでしょ」
『行く。未礼が私を必要とするならばすぐに』
「じゃあ今来てよ。今すぐ会いたいな~、なーんて」
『承知した。すぐに行く』
「…ほんとに?」
冗談でしょ?
黙ったあたしを心配している。
「あ、ううん、何も…」
感傷的になってるのは、風情ある町並みのせいかな。
『なら、良いのだが…。
もしも、私に出来ることがあれば言ってくれ。
何かあったら、すぐに連絡してくれ』
何かあったらって、…言えるわけないじゃん。
非正規雇用で、正規になれないとか。
そんな小さなスケールの話、啓志郎くんに理解できるはずない。
それに、啓志郎くんがマイラ姫を連れてきさえしなければ…なんて口が裂けても言いたくない。
誰も悪くないんだから。
嫌な気分になる。
「…電話したって、遠くにいるのに、どうもできないでしょ」
『会いに行く』
「啓志郎くんは、いつまで日本にいるんだっけ」
『明後日の水曜の午後の便で発つ予定だ』
「ふーん、じゃあ、アメリカから、あたしの為に飛んできてくれるの?」
『未礼が望むなら』
「嘘ばっかり」
『嘘ではない』
「無理でしょ?
だって、今日本にいるのだって、丁度学校が休みだからでしょ?
わざわざあたしの為だけに、あたしの所に来れないでしょ」
『行く。未礼が私を必要とするならばすぐに』
「じゃあ今来てよ。今すぐ会いたいな~、なーんて」
『承知した。すぐに行く』
「…ほんとに?」
冗談でしょ?

