「未礼はここに来るの初めてだけど、僕は何回か来たことがあったんだ。
十数年前のことだけど。未礼のお母さんと一緒にね」
「そうなの?知らなかった」
お母さんと来たことあったんだ。
「その縁もあって今回こうしてお世話になってる」
「今までしてた仕事とは、全く違うことでしょ?迷いはなかったの?」
「迷ってる場合じゃなかったしね」と義父は首をすくねて、困ったような顔で笑った。
「妻と琉生は、妻の実家に帰ってしまった。
妻は社長でなくなった僕に興味を持ってない。離婚も時間の問題だろうね。
自分の近しい親族は、社長じゃなくなった自分から離れて行ったよ。友人、知人も。
救いの手を差しのべてくれたここで精一杯恩返しをしたいんだ」
「そっか…。
あ、仕事戻っていいよ」
ショップにお客さんが入ってきた。
「ああ。未礼はゆっくりしていってくれ。
うちの鍵渡しておくから、好きに休憩しててくれてもいいよ」
「ありがとう。町並み雰囲気あるから、ちょっとブラブラしてみる」
「いいと思うよ。古民家をリノベーションした雑貨屋さんとか、カフェとかもあるし」
「うん。行ってみる。仕事頑張って」
「ありがとう!」
お客さん相手に元気よく明るく接客している義父。ハッピが様になってる。
山指さんご夫婦も良い人だし、ここで上手くやれてるみたいで、安心した。
十数年前のことだけど。未礼のお母さんと一緒にね」
「そうなの?知らなかった」
お母さんと来たことあったんだ。
「その縁もあって今回こうしてお世話になってる」
「今までしてた仕事とは、全く違うことでしょ?迷いはなかったの?」
「迷ってる場合じゃなかったしね」と義父は首をすくねて、困ったような顔で笑った。
「妻と琉生は、妻の実家に帰ってしまった。
妻は社長でなくなった僕に興味を持ってない。離婚も時間の問題だろうね。
自分の近しい親族は、社長じゃなくなった自分から離れて行ったよ。友人、知人も。
救いの手を差しのべてくれたここで精一杯恩返しをしたいんだ」
「そっか…。
あ、仕事戻っていいよ」
ショップにお客さんが入ってきた。
「ああ。未礼はゆっくりしていってくれ。
うちの鍵渡しておくから、好きに休憩しててくれてもいいよ」
「ありがとう。町並み雰囲気あるから、ちょっとブラブラしてみる」
「いいと思うよ。古民家をリノベーションした雑貨屋さんとか、カフェとかもあるし」
「うん。行ってみる。仕事頑張って」
「ありがとう!」
お客さん相手に元気よく明るく接客している義父。ハッピが様になってる。
山指さんご夫婦も良い人だし、ここで上手くやれてるみたいで、安心した。

