我妻教育3

奥さんは、ニコニコと頷く。

「未礼ちゃんはお料理のお仕事されてるのよね。参考になるかしら。
夕食は、酒粕料理のフルコースにしましょうか。使い方是非覚えていってね」

「嬉しいです!勉強させていただきます!ありがとうございます!」

「夜は、勇くんも、うちの息子家族もうちに来て一緒にご飯食べるからね。
皆で一緒に日本酒飲みましょう」

「楽しみです。でも帰りの電車の時間があるので、あまり長居はできないんですけど…」

「やだ、泊まって行ってよ!
未礼ちゃんが来てくれるって聞いて、皆楽しみにしてるんだから」

「…ご迷惑じゃないですか?」

「いやだ、迷惑なわけないじゃないの!
家だけは田舎だから広いの。お布団も沢山あるし。絶対に泊まっていってね」

「ありがとうございます」

今日中に帰るつもりだったけど。
明日も休み取ってるから大丈夫か。

酒粕料理勉強したいから、ありがたく山指さんのお宅に泊まらせていただくことに。

学べるだけ学びたい。

今のあたしには、≪一皿飯≫の連載と、ブログが心の支えだ。

昼食でとっても美味しいカルボナーラをご馳走になった後、山指さん夫妻は仕事に戻った。


「良いところだろう?」

酒蔵のショップで商品を見ながら、久しぶりに義父と二人になった。