我妻教育3

展望デッキに戻って、ぽつんと一人、飛行機を見送った。

鼻をすすって、空を仰ぐ。

飛行機が飛んでいく。

啓志郎くんが乗ってるはず。

手を離した途端に、寂しいなんて。

さっき、触れた右の頬に手を当てる。

思い出したら、甘酸っぱい気持ちが胸一杯に広がった。

次はいつ帰ってくるのかな。

次は、両方。左頬もしてもらわなきゃ。なんて。

ーーこんな気持ち、まるで恋してるみたい。

構わないや。恋だろうとなんだろうと。
何だかやる気が満ちてくるし。

よし、次は、あたしが会いに行こう。

行ったら喜んでくれるかな?
忙しいだろうけど。
啓志郎くんはあたしに甘いから、時間作ってくれるはず。

だったら、頑張らないと。

離れていく飛行機に向かって、声をかけた。

「あたし頑張るからね。
啓志郎くんこそ、待っててよ」



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